はじめに
雷は最も危険な気象の現象のひとつであり、落雷などにより毎年亡くなる方がいらっしゃいます。
近年は雷のメカニズムの解明が進み、安全な避難方法なども確立されつつありますが、まだまだ人智のおよばざる所もあり、油断がなりません。
この地球上に完璧に安全な場所などありえませんが、雷という恐ろしい現象を知ることにより、その被害にあう確率をすこしでも下げれればと思います。
エンタテインメント??の要素
流星や彗星などの「天体ショー」があるように、地上の気象の現象も時折、目を楽しませてくれる事があります。
不謹慎ながら、雷はそのまぶしい光や、轟く音、突然やってくる事などの要素から、言ってしまうとエンタテイメントの要素が充分にあると思います。
怖いもの見たさは人間の本能とも思えますが、その怖いもの見たさを満たすためにはやはり敵の事を知れということになり、自身の安全を確保した上で行うのが賢明ではないでしょうか。
ヤバイかも・・・自分の雷ヒストリー
あれは18歳の夏の事。
中免をとったばかりでバイク(GPz400F)を走らせて自宅に帰る途中に遭遇した雷雨。
箱の中にいないむき出しの状態で雷雨と轟音にさらされ、はじめてカミナリを身近に感じ、正直怖いと思った。(停車して安全な場所へ避難するのが正解です)
さらに危険度が増しまして、オーストラリアでサーフィン中に海上で喰らったのが今まで一番怖かったかもしれません。
若い=バカい の式の通り、いい波を逃したくない一心でサーフィン中の突然の雷雨襲来にも海から上がらずに沖にいると・・
「▼ 〇 ✖ § ※ ¶ δ 」
なにか地上では聞いたこともないような音が目の前で炸裂し、ビビッて速攻で浜に上がりました。(これは超危険ですね。 悪天を察知したら即、撤退し建物を見つけて隠れるべきでした)
実際に被害の例としては近所に落雷しモデムがイカれた事がありました。
(レンタルのモデムで落雷の保証外の残念・・なパターン)
死亡率の高い直撃
冒頭でも書きましたが、カミナリという気象の現象での落雷などにより毎年亡くなる方がいます。
死亡事故のほとんどが雷の大電流による心肺停止で即死となるケースが多いようです。
人体が雷の直撃を受ける直撃雷というものは、体内に雷電流が流れ心停止となることがあり、直撃雷を受けると約8割の人が死亡とのデータがあり、雷撃後に何も処置しなかった場合は約9割の死亡率とも言われています。
雷はどこから 不安定な天気には注意
俗に言う雷雲(かみなりぐも・らいうん)は積乱雲と呼ばれていて、
大気が不安定な場合
に発生しやすく、その積乱雲の位置次第で雷は海面、平野、山岳など場所を選ばず落ちます…というよりは上下左右関係なくターゲットを目指して放電。
一般的に言われる周囲より高いものほど落ちやすいというのは、通常の平地ならば高いほど雷雲により近くなるとの観点からでしょう。
間合いの取り方 電気の性質など
全般的に言えますが、気象情報をよく確認しておいて、雷が起こる状況なのかを知る事が大切だと思います。
雷が近づいていないか、雷をもたらす積乱雲が近づいていないか、もし雷鳴が聞こえたらそれはもう落雷の可能性があると考え、建物や車に逃げ、身の安全を確保するのが懸命です。
野原やグラウンド、山頂や尾根などの開けた場所では積乱雲から直接人体に落雷の可能性があり、直撃雷と呼ばれます。
直撃でなくても落雷を受けた樹木などから側撃雷と呼ばれる現象により被害を受ける場合があり、雷雨時の木の下での雨宿りは危険で、落雷死亡事故原因の2番目に挙げられ、死亡する可能性が極めて高い雷撃パターンです。
また、木よりも人間のほうが電気が流れやすく、木のそばに人がいるとその樹木から人体へ雷が飛び移ることがあり、人体が側撃を受けるパターンとして「木から人」、「人から人」などのケースもあります。
・ちいさな雷 静電気 人から人への安全?な放電
電子機器の保護 屋内では
ひとまず建物の中で安全確保ができたら電気製品に目を向けたいと思います。
直撃でなくても家屋に近い落雷が誘導雷となり周辺の電線などに雷サージ(異常電圧や異常電流)を発生させ、電気製品にダメージを与えることがあります。
また近年は精密な電子機器が増え、雷による停電や電圧低下、またはサージなどの影響により影響を受けてしまうものが多いです。
被害を受けやすい機器の例として、
・アースされている機器(給湯器、洗濯機、電子レンジ等)
・通信や信号線、アンテナなどが接続されている機器(PC、テレビ、モデムなど)
・停電による誤動作やデータ消失(おもにデスクトップPC)
などが挙げられますが、雷が近づいたらこれらの電気製品は使わない、コンセントを抜く、または停電やサージ対策(無停電電源装置UPSやCVCF、サージプロテクター)をした上で使うようにしたいものです。
まとめ
遠くで眺めているうちはいいけれど、近づくにつれ恐ろしさをます雷。
雷雲の真下での音の凄まじさは、屋外なら尚更の事、家の中でさえびっくりしてしまう位のものがあり、とくに屋外での遭遇は命にかかわります。
家の中の安全地帯であっても、近年の電子機器依存の傾向によりこれらの故障や誤動作も心配のタネではあります。
恐ろしい気象現象である雷から身を守るには、
・屋外にいたらまず身の安全を確保する
・最低限、気象情報の把握をしておく
・電気の性質をよく知っておく
・余裕があれば電子機器の保護
といったような備えや心構えなどですが、それでも相手は自然なので絶対安全という事はなく、不測の事態もあり得るという考えのもと、大自然の恐ろしい力の側面を謙虚な気持ちで垣間見させていただきましょう。
おしまい
防災や気象関連の記事
豪雨に対する備え(神奈川県)
風の強さ
マグニチュード
水辺でのサバイバル
雷関連リンク
各地の電力会社による観測
各地の電力会社(停電情報などの確認に)
気象庁 ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)
雷の観測から情報提供までを行う気象会社フランクリン・ジャパンによる
「雷(らい)ぶらり」
トリビア
・落雷ということばが一般的だが、山などでは周囲の雲からの横へ落雷?もあり、その電流は物や人から、または地面から流れてきたりすることもある
・雷は夏のイメージだけれど、日本海側では「冬季雷」と呼ばれる世界でもめずらしい雷が発生(発達した低気圧や台風などでは季節を問わずに発生)
・金属を身につけていないから大丈夫は迷信 ✖ で人間のからだそのものが導電体であり、むしろ身につけた金属製品には人体を流れる電流値を減らす(ジッパー効果)事が確認されている
・電線の下(配電線や送電線)は屋外でも安全性の高い場所で避雷針の役割をなす(電柱や鉄塔からは2m以上離れること)
・分岐放電と呼ばれる、落雷の電流が大気中で分岐し複数地点に落ち、一度に複数の死傷者を出す現象がある
かみなりの種類
・熱雷 おもに夏の内陸部でよく発生
・渦雷 低気圧や台風による発達した積乱雲で発生
・界雷(前線雷) 前線付近(おもに寒冷前線)で発生
積乱雲の直径は5~10kmで寿命は20~60分程度
高さは15000mの成層圏付近に及ぶ事もあり、その形からかなとこ雲の異名もある
積乱雲のおのおのの小さなまとまりはセルとも呼ばれ、多くの積乱雲のセルが集合し、団塊状になったものはクラウドクラスターと呼ばれ、熱帯域によく見られ、日本付近では梅雨期の東シナ海で発生するものが有名で、次々と積乱雲が発達し集中豪雨をもたらす
カミナリ用語のいろいろ
サンダー(thunder) = 雷
凡例 thunderstorm 雷雨
ライトニング(lightning) = 稲妻
凡例 lightning Strikes 落雷
AE86の型式に代表され今や名車の域に達した、カローラレビンやスプリンタートレノの車名にも雷のテイストが入っているようで、
levin(レビン)には稲妻や稲光の意味があり、
Trueno(トレノ)は雷鳴のスペイン語です
2020年9月17日神奈川県海老名市付近で管理人撮影の積乱雲
いかにも不安定っぽい雲(自宅ベランダから撮影)
雷の仕組み