都内の某遊園地でアルバイトをしていたぼく。
仕事内容は、チケットを切ったり、誘導とか、やることは至ってシンプル。
いろいろなアトラクションを数日ごとローテーションしていて、その日の担当はジェットコースターだった。
遊園地という場所柄、お客さんから写真を頼まれる事も多く、一緒に入って欲しいという人もかなりいたけれど、先日のローテーションだった観覧車の担当でこの事にはだいぶ慣れていた。
昼の休憩を終えて、またジェットコースターの担当に戻ってきたぼくは、ややだらっとした気分で、それを表に出さないようにテキパキと接客をこなしてはいたけれど、昼食につけ麺大王で麺を大盛りにしてしまったばかりに消化の進みが芳しくなく、そのダルさはなかなかのものだった。
少し経つとさっきまで多かったお客さんの流れも落ち着き、お腹もダルさもようやくこなれてきた頃、写真を撮って欲しいとジェットコースターの出口で声をかけてきた二人連れの女子がいた。
今日も、もう何度頼まれたか分からないくらいだけど、こころよく、笑顔で
「いいですよ」
と
なんといってもサービス業なのだ。
たいていはここで終しまい。
ときどき、一緒に入って撮らして下さいという人もいるので、一緒に盛り上がって写真におさまってしまう。 男なら悪い気はしない。。
これもたいていはここで終わり。
けれども、二人連れの女子のうちのひとりの、その娘(こ)はちょっと違っていた。
一緒に撮った写真を送るので、住所を教えて欲しいというのだ。
とてもかわいらしい感じの娘で、20代真ん中のぼくよりもおそらくは歳下かな・・別に減るもんじゃなし、まぁいいかと、ついでにはずみで電話番号まで教えてしまった。。
そして、まさか本当にかかってくるとは思わなかった。
あんがい気に入ってたので、話がすすみ、
「デートしましょうよ」
という事になった。
5月のウィークデイ。
浜松町で待ち合わせをして、モノレールで羽田空港にむかった。
晴れのいい天気。 初夏らしく空気がここちよい。
文字通り
「空港でデート」
のお話で、
あとは、読み手のご想像におまかせいたします。
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