g (ジー)

コラムと読みもの

きょう9月6日は、小説家、SF作家として有名な、星 新一さんの誕生日なので、ぼくもちょっと影響されて、SFまがいのものを書いてみようかと思います。

それではどうぞ・・・

(オリジナルは2015年のものです)

 

g (ジー)

とある、近いような遠いような未来のお話。

長年の間、未発見の素粒子だった、重力子(グラビトン)が、ようやく発見されたのだけれど、それを集積する技術が確立されるまでに、さらに10年を要してしまっていた。

けれども、「素粒子プリンター」はすでに、21世紀中に開発済となっていたので、重力子(グラビトン)さえ集めてしまえば、この「素粒子プリンター」でそれを加工し、その反粒子である、反重力子(アンチグラビトン)さえも生成する事が可能になっていた。


この、

反重力子(アンチグラビトン)

は、産業用に使い道がとても多く期待され、その開発の行く末が多くの人の関心の的だった。

これには、名前の通りに反重力の働きで、重力、すなわち「重さ」を低減してくれる効果がある。


 

重さの低減、すなわち「軽くなる」ということは、まず交通や物流に革命的な効果をもたらし、産業への応用範囲は裾野が見えないほど無限にあるといっていい。

長らく地上での恒久的な無重力は技術的に無理だったけれど、この反重力子(アンチグラビトン)の重力低減効果が、さきほど述べた、陸海空の交通手段のエネルギー軽減などをはじめとして、物流への応用や、他にもさまざまな分野での実験が開始される運びになった。

けれども、まだその製造コストはとても高く、使用できる分野は限られていて、手始めに、いちばんお金をかけられる医療分野での患者の負担軽減、主に介護などにまず臨床が行われるようになりました。


 

そういった成り行きから、しばらくしてようやく一般向きに発売されることになった、お初のその商品名は・・・

「パーフェクト ・ スリーパー」

というもので、その上で寝ると、体重が2/3くらいになったように感じられるベッドのようなもので、質量そのものは変わらないけど、例えば体重60kgの人なら40kgの軽さで寝られ、それはとてもよく眠れるらしいとのふれこみ。

反重力子(アンチグラビトン)を使用した、初の市販反重力ベッド、「パーフェクト・スリーパー」

俗称は、

「 宇宙ベッド 」

気になるお値段は、市販化されたとはいえ、まだ庶民にはたやすく手が出せるものではありませんでしたが、それから、しばらくして・・・

 

次回につづきます■ 次回話 g (ジー) その2

 

g (ジー) その2
近未来のお話 未発見の素粒子だった、重力子(グラビトン)の発見 その技術を応用した商品名「パーフェクト ・ スリーパー」で俗称は「 宇宙ベッド 」 まだまだ値段はお高いものだったけど、このテクノロジーも例外にもれず、コストダウンが進んできて

 

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