投稿日2012-07-24(So-netブログ)
高校生活最後の夏休み。
合宿を終えて、夜行列車で帰ってきた男女4人。
■ 前回話 ・雲と追いかけっこを 1986 パート1
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列車はいつのまにか早朝の東京駅に到着していた。
直立のボックスシートではとても寝れたものではないけれど、それでも疲れのせいか、いつのまにか眠りに落ちてしまっていたみたいだ。
降りたプラットホームには連日の熱帯夜のよどんだ空気がへばりついていて、朝のさわやかさには程遠い。
ぼくたち4人おなじように、むくんだ顔に疲れた顔で、こちらも負けず劣らず、寝起きのよどんだ表情。
しばしホームのベンチにたたずみ、それぞれにどこを見るとでもなく、何をするわけでもなかった。
かなりしばらくのあいだベンチで休んでから、大きな荷物をかかえて物憂くようやく歩き出す。
ぼくと彼女は例の二人を少しからかいながら見送って、そのあと東京駅の地下ホームへの長い道をたどった。
総武本線に乗って内房方面へと向かう。 房総のはての海まで行ってみようというのだ。
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口実は、今回の旅で青春18きっぷを使用したのだけれど、このまま帰ってしまってはもったいないから。
目的があったわけじゃない。
ただただ自由な1日があって、きっぷがあって、相手がいただけの事。
彼女の事は特に女としては意識はしていなかった。
あくまでも仲間のひとりで、かわいい娘(こ)とは思っていたけども、彼女にしたいとかそういうのはぜんぜんなかった。
ぼくと彼女は電車に乗り込み、またもや国鉄フォーミュラのボックス席だけれど、こんどはたがいちがいの向かい合わせに腰をおろした。
早朝の車内はガラガラだ。
ただひとつ、わからないことがあって、彼女とは、もう丸二日ほども行動をともにしていて、二人とも風呂にもシャワーにも入っていないはずなのに、彼女だけはふしぎないい香りが変わらずにしていたのだ。
謎だった。
東京駅の地下ホームから出発した電車はいつのまにか地上にでていたけど、窓の外の天気はあまりよくない。
113系はモーターのうなり音をあげ、曇天の夏の早朝の中、東へと驀進していく。
パート2 おしまい
■ 次回話 ・パート3
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追記
彼女の不思議ないい香りの謎がとけたのはオーストラリアに行った時
当時、日本ではまずお目にかかれないとある化粧品のメーカーのシャンプーがまさしくこの香りで8年ごしに嗅覚がブッ飛んだのであった
▼ オーストラリアのカテゴリー
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縁は異なもの(Marriages are made in heaven)
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