・当記事は2016-04-24にソネブロ向けに書かれたものをリニューアルしました
世界でいちばん貧しい大統領
と、リスペクトされる、先日に来日した南米ウルグアイの、ホセ・ムヒカ前大統領(当時80歳)へのインタビュー記事に、おおいに共感する所がありましたので、いくつかの印象的なことばを引用し、一緒に考えてみたいと思います。
【当時の世界一貧しい大統領へのインタビュー記事から】
・富を求めるよりも人生には大切なことがある
・広島へ行くのは日本人へのリスペクトです
■当時のインタビュー記事
http://www.sankei.com/premium/photos/160423/prm1604230021-p1.html
現在はリンク切れ
▼記事のいちばん下の方に演説の動画を追加しました
大統領??のプロフィール
「所詮お金持ちだろ・・」
「権力者の言うことなんか」
「成功したからでしょ」
等々の声も聞こえそうですが、
このムヒカさん、貧困、ゲリラ活動、投獄など衝撃の過去をもち、若かりし(1960年代)ころには都市ゲリラのメンバーとして、武装闘争に加わり投獄4回に、脱獄が2回、銃撃戦で6発撃たれて重傷を負い、そして軍の独房暮らしも10年などという、
社会の底辺をからだで知る男なのではと思いました。
愛車はビートル
その後、一国の長となりながらも、給与の大部分を財団に寄付したり、官邸には住まない、愛車は「ビートル」ことフォルクスワーゲンのタイプ1、一説にはひと月1000ドル強での暮らし、などと、つつましい暮らしを貫き通してきた、なかなかの人物と思えます。
「世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにある」
と説いた2012年の国際会議での伝説的スピーチで一躍時の人となり、また、アメリカとキューバの国交回復にも、大きな役割を果たしたとも言われています。
・フォルクスワーゲン ビートル
世界はどうなったらよくなる?
貧しさも権力も知っているであろうこの人、見方によっては左よりの理想主義者と思えなくもないのですが・・
「世界はどうなったらよくなるか」
って事を本気で考えてるんじゃないかなって、インタビューの言葉ひとつひとつから感じられ、またそれをさんざん考えに考え抜いた人だなという印象を受けました。
そうして日本に対する下記の引用も当然的を得たものになっています。
「私がさまざまな場で提言してきた考え方は、もしかしたら日本で伝統的に引き継がれてきた文化と、根底で通じているのではないでしょうか。日本の良い伝統文化というものが、いま、西洋化された文化によって埋もれて見えなくなってしまっている、そういう状態なんじゃないですか」
大麻を合法化しちゃった!!
また、生き方や発言だけでなく、大麻を合法化という大胆な政策を実行した事でも知られ、非合法組織を排除し、中毒者の健康問題にも対処した、という現実的な手腕もうかがえます。
「私たちが目指したのは、マリ●ァナを管理することです」
「ドラッグに賛成しているわけではありません」
との言葉には、単純にマリ●アナいけません的な古い考え方でなく・・・
「若者を犯罪集団の手に渡してはいけない」
「麻薬自体よりも麻薬を取引している集団の方が悪い」
「中毒からは脱却できても、組織からは抜け出すことはできない」
などのそれにつづく言葉は、薬害よりもおそろしいのは人間という、物事の本質をよく見ていて、世界をホントによくしていきたい気持ちの現れを感じます。
ムヒカさんはクールビズ推進派?
「世界はネクタイを使わないことでよくなる」
ムヒカさん、もしやクールビズ推進派??
いえいえ・・・
世界を変えるために闘ってきましたけれど、私の目指しているのは、ネクタイを使いたい人は使えばいい、使いたくない人は使わなくていい。そういう世界です。私は個人的には質素な暮らし、抱え込まない人生というのが良いと思っています。でも、同じ考えを誰かに強制したいとは思いません。自由のために戦っていますが、自由というのは他者がしたいことを妨害することではありませんよね
ここからぼくが連想したのは、ネクタイの結び方って一説には絞首刑とおなじで、それを身につけるということは、だれかの奴隷と一緒ということ。
見えない世界の支配者からへの脱却を暗に意味しているのではと思いました。
さいごに「根本にあるものは何か」
さて、引用したい言葉はたくさんありますが、あまり多くても意味がないので、これが最後。
根本にあるのが なんといってもこれで、
「私がしていることは、考えの種をまくということです」
個々が考える時代に来ているのを予見しているとも思えます。
日本からは地球の裏側とも言える南米のウルグアイの、そして年齢的には亡き親父と同世代のホセ・ムヒカ前大統領の、意味のあることばでしめくくりたいと思います。
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